君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー

和泉は、優葉の目をじっと見、照れたようにそう言った。 

そんな和泉を見、優葉の胸にも和泉への愛しさが溢れ出す。

「こちらこそ、よろしくお願いしますっ………」

そして、その心のままに優葉は微笑みながら和泉に返事をした。 

「ッ、本当………に?」

「………うん」

「本当に………、優葉が俺の彼女………?」

「………うんっ」

優葉がもう一度、微笑んでそう言えば和泉は、今までにないほど嬉しそうな顔で笑った。 

「嘘………でしょ? 信じられない………! こんなことがあるなんて………」

「瀬名君………?」

「嬉しい………! とても、嬉しい………!」

ーーーそれは、本当に満開の笑顔で。 

そんな和泉を見るのが、とても嬉しくてーーー

優葉は気がつけば和泉の頬を包み、自ら唇を重ねていた。 

「………え?」

「これで………実感した? 私が、瀬名君の彼女だって」

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