君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー
「いけっ、和泉っ」
「………?」
「そのまま!そのまま! またキスしちゃえ!」
和泉の背後から、女性の声が聞こえ不審に思った二人は一旦離れた。
和泉は何かに勘づいたのか途端にはあっと大きくため息をはき、その方向を振り向いた。
「ーーーったく! 有華さん!」
「え!?やだ、見つかっちゃった!?」
そこにいたのは先ほど瀬名邸からでてきた女性ーーー有華であった。
「そんな独り言言ってたら分かるから! ていうか、いつからいたわけ!?」
「え? "………よくできました"ってセリフから?」
「なっ………、 そんな前からいたの!?」
「いたわよ! いや〜、良いもの見せてもらったわ!!バッチリだったわよ、和泉!
少女マンガで読者が選ぶ胸キュン告白シーン第一位みたいで最高だったわ〜」
「変な詳細設定しないでくれる!? その前に、人の告白シーンを勝手に見るな!」