君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー
「じゃあ、優葉」
「うん?」
「全部、優葉が食べたい物買って、半分にしようか? 昔みたいに。 どう?面白そう?」
「えっ、そ、そう思うけど………。 李人君も何か食べたいでしょ?」
「うーーーん。優葉は、やっぱり遠慮するよね。 じゃ、優葉が食べたい物が俺の食べたい物。 それでどう?」
優葉の性格を考慮して、そうさりげなく提案し、やんわりと微笑む李人を見て優葉の胸は更にときめく。
(本当に李人君は、私の事を知ってくれてるな………)
昔から優葉の性格の良いも悪いも知る李人は、いつも優葉を理解し、傷付かぬよう包み込んでくれる。
それは、李人にしかない優しさで優葉はそんな所に強く惹かれる。
「あ、ありがとう………。 お金払うよ?」
「いいよ。 500円しか貰えなかった小学生の時と違って、俺は今や俳優の橘 李人だからね?
優葉の為なら、露店の食べ物を全部買い占める事もできるよ?」
「あはっ、 有難いけどそんなに食べれないよ」
「それもそうか」
「ふふっ………」
(李人君が傍にいて………温かな気持ちになって。 こんな時間がずっと続けばいいのにーーー)