君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー
今まで、李人は本格的なヒューマンストーリーに挑戦したことはない。
李人のキャリアにとって良い新境地になるだろう。
しかしーーー
「埼玉県………か」
今の調子で故郷に行けば、もう一度李人は優葉のことを思い出さざる終えないだろう。
「………どうするかな、本当に………」
斉木は、そう呟くと頭を抱えたーーー。
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「あ、見て! 和泉! セミ!」
ーーー月日は流れ、 再び夏がきた。
優葉は大学4年、和泉は2年に進級した。
優葉は、大学の敷地に植えてある大きな大樹を見つめ
ながら、止まっているセミを指差した。
「和泉! セミだよ!セミ!」
優葉は興奮しながらそう隣にいる和泉に言う。
「はいはい。セミで喜ぶ大学生アンタくらいだよ。まったくこの暑さの中、小学生みたいに元気だね」
「なっ、またバカにして! 夏がきたって感じることができていいじゃないっ」