君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー
怜がそう尋ねると、李人は嘲るように笑った。
「ーー……まさか。知る由もないと思います。 俺は………優葉に一番最悪な嘘をついたから。俳優を続けるにあたって、優葉の存在が邪魔になったと………」
李人の言葉の端々が震えているのが、怜にも分かった。
ーーー李人はきっと、後悔している。
一番愛していた"優葉"を残酷な言葉で傷つけ、離れるしかなかった自分の決断を。
(そこから、李人が抜け出すには………)
「………なぁ、李人」
「はい」
「………あくまでも、これは俺の意見なんだが。そのーーー」
怜が言葉を紡ごうとしたその時だった。
李人の仕事用のスマートフォンが鳴り響いた。
「………斉木さんですね。 そう言えば、次の映画撮影のスケジュール確認があったのを忘れてました。もうそんな時間か。………怜さん、すみません。また今度お話聞かせて下さい」
「あ、あぁ。分かった。俺はせっかくだから、もう少し見てまわるよ」