君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー

「どうしたら、忘れられる………?」

李人は、誰に言うまでもなく声を震わせ呟いた。
そして、ふとホテルの入り口に目線を合わせたーーーその時だった。

「ーーー!?」

ホテルの入り口から今まさに出て行こうとする男女。

李人は、その姿を見、見間違いかと思った。
しかしーーー、李人が見間違うはずが無い。

いつも恋焦がれ、愛しく思う優葉を………見間違うはずがない。

気がつけば、李人はその姿を追いかけていた。

後ろから見ても、確かにそれは………優葉だった。
時折見える横顔も、更に愛らしくなっており、李人の目を離さなかった。

「っ、優………」

思わず李人は、声をかけようとしたーーーが。

「ーーー優葉」

李人よりも先に………隣にいた青年が優葉に手を差し出す。

そして優葉も………その手を何の躊躇いもなく握り返した。

「ーーー和泉」

李人ではなく………別の男の名を………瀬名 和泉の名を呼びながらーーー。



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