君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー
かつて、李人に向けられていた愛しさが籠ったその優しい眼差し。
それが、全て和泉に向けられていた………。
李人は、何が起こっているのか、その瞬間では把握できなかった。
「………李人!?」
名前を呼び止められるまで優葉と和泉、遠くなっていく二人の後姿を李人は呆然と見つめていたーーー。
ーーーーー
「李人………お前………」
なぜか李人を呼び止めたのは、怜だった。
「怜さん………?」
「………斉木さんは、今駐車場だ。駐車に少し時間がかかりそうで、イレギュラーだが俺が李人に声をかけるよう頼まれた。それより………」
怜は、遠目で優葉と和泉の後姿を見据えた。
「………まさか、遠くにいるあの2人は………」
「優葉と………瀬名 和泉です」
「ーーーせな いずみ?」
「優葉がアルバイトをしていた塾に通っていた生徒。そして………優葉に想いを寄せていた男です」