君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー
「………夏子おばさんが、李人君の部屋を掃除してるのかな」
そうでないと、人影など見えるはずがない。
ーーー李人は、いないのだから。
"………いらないよ、お前"
「ーーーッ」
その瞬間、優葉の脳裏によぎったのは………李人と別れた際に言われた残酷な言葉。
「久しぶりに………思い出したなぁ………」
(もう………忘れたと思っていたのに)
和泉に愛されたことで、忘れていた李人からの残酷な仕打ち。
それを不意に優葉は思い出し、酷く胸が痛んだ。
「っ、やだ………」
(思い出したくない………)
優葉は強くそう思い、必死で被りを振ると早足で李人の実家を駆け抜けようとした。
………その時だった。
「………っ、!?」
不意に背後から優葉は、何者かに身体を引き寄せられた。