君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー
「………な、」
(何………!?)
「は、離しっ………」
優葉は、咄嗟に何者かから離れようとしたーーーが。
「………!」
不意に柑橘の香りがし、その場から動けなくなった。
(この香りを………、私は知ってる………)
いつも"彼"が使っていたシャンプーの香り。
彼が傍にいると、抱きしめられると、いつもその香りがしたーーー。
(でも………どうして………?)
どうしてーーー
「………優葉っ………」
「………!!!」
何度も愛おしそうに名前を呼ばれた、ーーー愛おしかったその音色を忘れるはずがなかった………。
「李、人君………?」
少し抱き寄せられた力が緩み、優葉が振り向けばーーー李人がいた。
「ずっと、会いたかった………」
そして、愛おしげに優葉を見つめていた。
まるで恋人同士だった日々のようにーーー。