君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー

室内に入ると、誰もいない様子だった。
元々李人の両親は、共働きで家を空ける事が多い。

「っ、仕方ない………」

優葉は李人を自室のベッドへ運ぶと、リビングにあった救急箱から体温計や熱冷ましシートを取り出す。

幼い頃は、よく李人と遊び、公園などでよく転んでいたことから、優葉、李人共に夏子に怪我の治療をしてもらっていた。

そのため優葉は救急箱の場所を覚えていた。

「………38.5度………」

そして、体温を測ると想像した通り李人は高い熱だった。

依然として李人は、苦しそうにベッドに横たわっている。

(おじさんもおばさんも、斎木さんもいないみたいだし………放っておけないよ)

そう思うと優葉は、李人の看病をすると決めた。
後ほど冷えないように、その汗を拭き、熱冷ましシートを李人のおでこに貼る。
台所も借り、おかゆも作った。

「李人君………?」

おかゆを李人の自室へ持っていくと、優葉は今一度、李人の名を呼んだ。




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