ミントブルーの純情


料理なんてできない私がわざわざパンを焼いてあげるって言ってるのに、なんて我儘な弟だ。

しぶしぶ冷蔵庫からサルサソースととろけるチーズを取り出して、ついでに牛乳も出してやった。みつは毎朝、牛乳を飲む。あんなに背が高いのはこの牛乳のおかげかもしれない。



「てかオマエ今日なんも予定ねーの」

「姉のことをオマエって呼ぶな」

「あお、なんも予定ねーの?」

「やけに素直だなあ……。ないよ。帰宅部の私は毎週家でゴロゴロしてまーす」

「ふうん」



興味ないなら聞くな、ばあか。

って、また心の中で「ばあか」なんて言ってしまった。みつがいちいちムカつくから悪いんだ。



「で、みつは?」

「何が?」

「予定あるの? 今日」

「あったらこんな時間まで寝てねーよ」

「あーはいはい、ソウデスネ」



しょうがなくソファまで近寄って、コップに注いだ牛乳を手渡すと「さんきゅ」って言葉を返してくる。お礼がきちんといえるところ。ここはみつのとってもいいところだ。



「んじゃ、久しぶりにアレやるか」

「アレ?」


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