クールな御曹司の一途な独占欲





その後土田社長との面談は一時間ほどで終わりとなった。

話し続けようと思えばいくらでも続けられただろうけど、こちらの役員会議の時間が迫っていたのだ。

早く終わってくれるのならありがたい。

もう牧田さんと目を合わせたくない。


「それじゃあ、お父さんにもよろしくね、次もまた勝つからって言っといて」


この土田社長の言葉に、本部長はボーっとしていたのか何の話だか分からない様子だったため、私は小声でそっと「ゴルフの話です」囁いた。


「そうですね、次は僕も是非」

「うん、楽しみにしてるよ!」


エントランスを出ていくまで、二人並んで確実に見送った。

二人の姿が見えなくなって数秒したあとで、本部長はなにも言わずにくるりと向きを変えると、さっさとエレベーターに乗り込んだ。

私も慌ててそれに続く。

サッと本部長室のフロアのボタンを押して、背後に立っている本部長をちらりと確認した。


「・・・なに?」

「い、いえ」


なんだろう、怒ってる?

眼差しが冷たい。


「ど、どうでしたか土田社長とのお話は」

「うん。面白い人だったよ。あとちょっぴりセクハラオヤジだね」


どの口が言ってるんだ、とも思ったけど、愉快な冗談に私もクスリと笑ってしまった。


< 38 / 98 >

この作品をシェア

pagetop