after5はお手っ
仰向けになったまま、真上にいるヒロトくんを見つめる。
お互い黙って、言葉の代わりにキスを繰り返す。
永遠に続いても良いと思うほど幸せに満ちているというのに、欲張りな私は、自然とヒロトくんの首筋に触れていた。
不思議そうに見るヒロトくんを少し引っ張って、頭を上げ鎖骨のくぼんだ部分に唇を当てる。
ビックリしたのか、喉が動いたから私も恥ずかしくなり、すぐにベッドに戻った。
言いたいこと、伝わったかな・・。
真っ赤になってるから、わかってくれたんだろうな。
だけどヒロトくんは、私の髪を撫で続けるものの、何も言わない。
それどころか、急に目を伏せて黙ってしまった。
「ヒロトくん・・?」
段々とこっちも不安になり、もう一度熱の残る頬に触れる。
するとヒロトくんもおずおずとその手を握り返し、何かを決めたように小さく頷いた。
「あの・・情けないんですけど、俺、ホントにガキなんです」
「そんなことないよ・・私よりずっとおと」
「やっ、そういうんじゃなくて、そのぉ・・」
うー、と水を被った子犬みたいに頭を振って、絞り出すような声で「経験なくて・・」と呟いた。
予想もしてなかった告白に、私もどうしていいかわからず黙ってしまう。
そんなことどうでもいいのにと思う反面、ずっと悩んで、考えてくれたヒロトくんの気持ちを軽く払うこともできないから。