ハニー♡トースト
…な…ひ…な…
「ひな!」
目が開いて、視界がだんだんと広くなる。眩しい。
私は開きかけた目を少し細めて、焦点が合うのを待つ。
「…カナさん?」
私の目がうつしたのは、心配そうな顔のカナさんだった。
「あーよかった。大丈夫?どこか痛いところは?」
「…頭がちょっとだけ」
あれ、ここ…どこだろう。
私、何してたっけ?
「…カナさん、私…」
「朔弥様迎えにいく途中に倒れたみたいよ?電車の中で。なんかいつもひなのこと見かけてた人が、ひながいつもの駅で降りないからおかしいと思って声かけたら、急に倒れたんだって」
ああ、そういえば誰かに話しかけられて…
「あ、朔弥様は…」
「朔弥様、いけません!」
廊下から百合さんの声が聞こえたかと思ったら部屋の扉が勢いよく開く。
「朔弥様、騒がないでください」
呆れた声でカナさんがいう。
ああ、どうして。
「日向子、大丈夫か?」
どうしてあなたはそんなに心配そうに、私の名前を呼ぶの?