君の瞳にわたしが映っても(完)

そして篠原に口付けされた事を思い出し、怖くて怖くて震えがひどくなった。

前みたいに、傷つけられた。


相川じゃない誰かに身体を触れられた。


そう思うだけで気持ち悪い。


やっぱり、わたしは相川が好きだ。


今、兄ちゃんに合わせる顔なんてない。


この瞬間隣にいて欲しいのは…相川なんだ。


わたしは兄ちゃんのジャケットを抱きかかえ、携帯を握り締めると、そのまま声を上げて泣き続けた。


痛い。


痛い。


心が、痛い。

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