彼の笑顔に出逢いたい
「ごめんなさい…。靴紐がほどけて…」


彼の視線が一瞬私の足元に注がれた後、「はぁ…」と盛大なため息が落とされた。


「ついてきてないことに気づかなかった俺も悪いけど、そういう時は一声かけて。」


「はい…」


「この時間帯になるとこの辺りは酔っ払いや、さっきみたいなナンパ目当ての奴らが沢山いるんだから女が一人になったら危ないことくらい分かるだろ。」


怒られてどうこうというより、また彼に迷惑をかけてしまった自分が不甲斐なかった。


当たり前のことを言われるまで気づけなかった自分にも。


「これからは、もっと危機感もてよ」


「はい…気をつけます。すみませんでした。」


これ以上ないほど落ちている私を、彼の一言で更に落ちてしまった。


「お前みたいな子供でも、物好きな奴もいるんだからな。」
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