イジワル上司の甘い毒牙
「服は洗濯するから、乾くまで俺のを貸してあげる。それから……」
どこかバツが悪そうに、ほんのりと頬を赤く染めて、日高さんは私から視線を逸らした。
「下着はこの前、佐倉さんがうちに来た時買ったから。覚えてない?」
そう言われて、私は一瞬石のようにピシリと固まってしまった。それから、深呼吸をして、幾分か冷静さを取り戻してから口を開いた。
「……突っ込んだ話を聞いても?」
「え?大胆なことを言うね……」
「違っ、そういう意味ではなくてっ!」
ふざけてからかわれているのかと思ったけど、日高さんが至って真剣な顔をしているから、私は顔を赤くして、全力で首を横に振った。
「それで、何かな?」
動揺して次ぐ言葉を失ってしまった私に、日高さんは発言権を戻してくれた。
そもそもこの人に動揺させられたんだけど。