イジワル上司の甘い毒牙
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「そろそろ寝ようか、佐倉さん」
夜も更けて、相変わらず外は強い風が吹き付けているようだった。
カーテンを閉め切っているから時々窓枠の揺れる音でしか判断できないから、外がどんな風になっているのはまではわからないけど。
泊めさせていただくお礼と言うにはささやかだけど、夕食として簡単なパスタとスープを作って日高さんと食べて、一緒に片付けをして、ソファで隣同士で座ってテレビを見て、何でもない時間を過ごした。
私は恋人がいたことがないからわからないけど、恋人と同棲をしていたらこんな感じなのかな、などと考えてしまい、自分を呪いたくなった。
恋愛なんて、バカのすること。男の人なんて、私の人生には必要のないもの。
そんな風に考え始めたのは、いつからだったか。
少なくとも十代の頃は、もっと少女らしい恋愛観を持っていたはずだった。その時の記憶のようなものが呼び覚まされているのだろうか。
彼といると、どうにも調子が狂ってしまう。