イジワル上司の甘い毒牙

「……離れすぎじゃない?」


寝室に行き、さあ寝るぞという流れになり、先にベッドに潜り込んだ日高さんを見ながら、私は壁の端に背中を張り付けて立っていた。

いつまで経ってもベッドに入って来ない私に痺れを切らしたらしい日高さんが、掛け布団を捲り上げながら身体を起こしてこちらを見ている。


「……いや、あの……一緒に寝るんですか?」

「え、うん」


私の問いかけに、日高さんは今更何を言ってるんだと言わんばかりに、きょとんとした表情で答えた。


「嫌なら、俺が床で寝るけど……」

「いえ!それは結構です!」


ここは日高さんの家だ。
その家主を床で寝かせて自分がベッドで寝るなんてことは、いくら何でもするつもりはない。

日高さんも、まさか女性をベッドから追い出してその辺で寝かせるつもりはないらしい。

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