繋がる〜月の石の奇跡〜
えみは井上の家の前で立ち止まり、息を整える。

チャイムを鳴らそうとする手は少し震え、何度もその手を引き留める。

深く息を吸い込み、ゆっくりと息を吐きだした。そしてしっかりとチャイムを押した。

少し経つと、井上がドアを開ける。寝ていないのか井上の目は真っ赤に充血している。
自分の身なりも同じようなことに気づいたえみは、恥ずかしそうに自分の髪の毛を整え、目をこする。

「井上くん。突然ごめん。私・・・。」

えみの話を遮るように井上が言葉を発する。

「一緒に光輝に会いに行かないか?」

えみは驚いた表情で、井上のことを見上げる。

「私、、私も同じことを言いに来たの。私も光輝に会って、今の気持ちを正直に伝えたい。」

二人はお互いに決意に満ちた眼差しで見つめ合った。
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