【完】無気力な幼馴染みがどうやら本気を出したみたいです。
「じゃあ、柚月について行く。職員室によってそのまま帰れば、教室に戻ってくる手間も省けるでしょ?」
「でも、職員室と下駄箱は反対方向だし……それなら、先に下駄箱に行っておく?」
「……柚月っ」
キュッと、制服の端を握られる。
彼方は寂しそうに、悲しそうに、私をじっと見つめた。
「い、一緒に……行かせて」
「……そこまで言うなら、まぁ」
「あ、カバンとか、持つよ」
「いいってそんなこと彼方はしなくて!」
「……柚月」
「じゃあ、早く行こっか!」
自分のカバンとプリントを持って、私は彼方と共に職員室に向かったのだった。