【完】無気力な幼馴染みがどうやら本気を出したみたいです。



「じゃあ、柚月について行く。職員室によってそのまま帰れば、教室に戻ってくる手間も省けるでしょ?」

「でも、職員室と下駄箱は反対方向だし……それなら、先に下駄箱に行っておく?」

「……柚月っ」


キュッと、制服の端を握られる。


彼方は寂しそうに、悲しそうに、私をじっと見つめた。


「い、一緒に……行かせて」

「……そこまで言うなら、まぁ」

「あ、カバンとか、持つよ」

「いいってそんなこと彼方はしなくて!」

「……柚月」

「じゃあ、早く行こっか!」


自分のカバンとプリントを持って、私は彼方と共に職員室に向かったのだった。


< 211 / 416 >

この作品をシェア

pagetop