【完】無気力な幼馴染みがどうやら本気を出したみたいです。



「もうまとめて下さったのですか? ありがとうございます、本当に助かります」


真壁先生にプリントを渡すと、深々と頭を下げられてしまう。

「私は私の仕事をしただけですから!」と返すと、真壁先生は「そんなことありませんよ」と言葉を続けた。


「近衛さん、聞けば裏方の準備だけではなく椅子やテーブルの手配から、手芸部の方にテーブルクロスを貸してもらえるよう言っていただけたり、少しでも雰囲気を明るくするために園芸部にお花の手配まで頼んでくれたとか」

「……柚月、そんなこと、してたの?」


彼方の負担にならないようにと全部一人でやっていたので、彼方はこのことを今知ったのだろう。

驚いた顔で、私に視線を向ける。


えへへ……少しは、役にたってるかな私。


「えっと、自分にできることは精一杯やろうと思って!」

「でも、決して無理はしないようにして下さいね。では、文化祭まであともう少し、どうぞ宜しくお願いします」


そうだ、文化祭までもう少し。

ここで褒められたからと言って、気を抜いてはいられない。


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