【完】無気力な幼馴染みがどうやら本気を出したみたいです。



「はい! じゃあ先生、私たちはもう帰りますね! またなにか準備しなきゃいけないものがあったら言ってください!」

「ええ、分かりました。ではお気をつけて帰って下さいね」


先生に見送られ、私と彼方は誰もいない静かな廊下を歩きだす。


はぁ、今日も疲れたな~!


「あとなにしなきゃなんだっけ? 椅子とかテーブルを並べるのは前日に全部するから……」

「……ねぇ、柚月」

「なに? なにかすることがあったら、遠慮なく言って! 私も手伝うから!」


役に立たなきゃ。

頑張らなきゃ。


「……柚月」

「うん、どうしたの?」

「なんで俺のこと……頼って、くれないの?」



思わず私は、その場に立ち止まった。


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