【完】無気力な幼馴染みがどうやら本気を出したみたいです。
「……そういえばさ、俺が柚月を好きになったのは、小学生の頃って言ったでしょ?」
ぼんやりとした照明の明かりが、彼方の顔をうつしだす。
彼方は私をじっと見つめ頬を撫でながら、ゆっくりと話し始めた。
「あの頃は頑張って頑張って、褒められようって頑張って……でも、ちょっと不満を持ち出してた頃だった」
「不満って……」
「頑張って良い成績を毎回残すもんだから、みんなは俺のこと……最初から頭がよかったみたいな言い方をして、努力しないでいい人は羨ましいなんて言われたこともあって」
そんなことはない。
彼方は頭はいいが、決して努力してないということはなかった。
ただ器用で、物覚えがいい方なんだなと思う。
同じ勉強をしても同じ努力をしても、私と彼方ではかなりの差があったように、決して努力をしていないわけではないが、どうしても彼方だけは他とは違っていた。
できが違う、というのはこういうことを言うんだろうなと、当時の私は思ったものだ。