【完】無気力な幼馴染みがどうやら本気を出したみたいです。
「あ、真壁先生やっと見つけた! 今、ちょっといいですか!?」
「おや、私になにか?」
「ちょっとお話したいことが……って、お忙しそうな感じですかね?」
話しかけてきたのは隣のクラスの担任であり、数学を受け持っている野沢(ノザワ)先生だ。
ちょっと短めの黒髪で、その雰囲気は爽やかという言葉がピッタリ合うだろう。
その若さと性格の明るさ、話しやすく生徒思いなところがとても人気だ。
「とりあえずこれを運んでからでもいいですか?」
「先生、そっちも私が運んでおきますよ!」
「有り難いお言葉ですが、こちらは少々重みがあるので近衛さん一人では……」
その時、真壁先生の言葉を遮るように、
「じゃあ、俺が……運んどきます」
そんな声がかけられた。