嵐の夜は 〜執着系上司に捕まりました〜
一緒に住むというのはどうやら本気だったらしい。
週末、課長の運転する車でわたしの部屋まで行き、身の回りのものをスーツケースに詰めてまた課長のマンションに戻る。
課長のマンションは2LDK。わたしのワンルームに比べると雲泥の差の高級感が漂っていた。
「課長クラスになると借り上げ社宅も豪華なんですね」
課長が怪訝な顔をする。
「社宅ちゃう。オレの持ち家やぞ」
凄い。
こんな都会の高層マンション、いくらするんだろう。
「ローンとか大変やないですか?」
「ローンはない。オレ学生時代から株やっててその利益で現金で買ったからな」
へ・・・・・・・・・・?
現金?
「お金の苦労はさせへんから安心して嫁に来い」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
イケメンで仕事ができて、お金持ちまでプラス。なんだかトンデモナイ人を選んでしまったのではないだろうか。
リビングの窓から外を眺めるわたしの背後に課長が立った。
「菜花」
名前を呼ばれるとまだ慣れなくて、なんだか気恥しい。