こっち向いて笑って、先輩!
─────ピンポンパンポーン
『生徒の呼び出しをします。1年5組、来原 桃さん。至急多目的広場に来てください。練習、始まっています』
「ひぇ!」
よ、呼ばれてしまった。
ダンスの出来ていない人は放課後練習っていうのはわかっていたけど、でも、今は正直練習どころじゃ……。
「あ!桃ちゃん!」
「ひっ!」
聞き覚えのある明るい声が私の名前を呼んでこちらにやってくる。
階段を下りながら私に手を振ってきたのは、野村先輩と……不機嫌顔で隣を歩く、如月先輩!
「桃ちゃん、今、呼ばれ─────」
「おい来原、さっさと多目的広場にいけ」
野村先輩の声を遮って、となりの如月先輩が眉毛を歪めた。