こっち向いて笑って、先輩!
『続きまして──1学年による学級対抗リレーです』
「よし!如月先輩のために絶対勝つ!」
「だから先輩は白組でしょーが」
列に並びながら声を出すと、グループの子に突っ込まれて、周りに苦笑される。
さっき先輩と過ごせたことが本当に嬉しくて、今ならなんでもできちゃいそうな予感しかない。
先輩とチームが違うのはちょっと悔しいけど、でも!私は私なりに、このクラス全員で頑張るって決めたんだ!運動は得意な方じゃないけれど、精一杯頑張るもん!
『位置について────よーい、ドンッ!』
先生の合図が聞こえてから、トップバッターの生徒たちが走り出す。
『おっ、先頭を走るのは2組!続いて、1組、5組、───』
私たちのクラスはスタート直後3位。
「頑張れー!」
「いけいけー!」
応援の声が大きくなるのと同時に、5組の勢いは徐々に乗ってきて、1人、また1人、と追い抜いていき、中盤では1位をキープしていた。