こっち向いて笑って、先輩!
「次出るのにここまで連れてきてくれたんだね。保健委員なの?彼」
「え、ううん。飯田は保健委員じゃないよ」
みっちゃんのセリフに首を傾げながらそう言う。
「へ?じゃあなんで……」
「んー近くに保健委員の人がいなかったからじゃないかな。飯田、学級委員でお世話好きなところあるからね〜」
「はっはーん」
ん?みっちゃん?
変な相槌を打たれたのでみっちゃんの表情を確かめようと顔を上げると、少しだけニヤッとして飯田の背中を見ていた。
ん?なんだその顔は。
「っていうか桃!あんたったら本当に期待を裏切らないっていうか、幼稚園の頃から変わらないっていうか、あんなところで転ぶ普通?!」
「ひー!ごめんなしゃーい!」
「ったく、女なんだから自分の体くらいもう少し丁寧に扱ってよね」
みっちゃんはそう言って「ほら」と言って私に肩をしてくれた。
「みっちゃんがイケメンすぎて惚れそうです」
「この浮気性が」
「えっ?!浮気?!」
みっちゃんの言葉の意味が理解できないまま、私は保健室へと向かった。