こっち向いて笑って、先輩!
「飯田が思ってるより、私、先輩とお近づきになれ─────」
「桃っ!!」
飯田と校舎に向かって歩いていると、大好きな声が私を呼ぶのが聞こえた。
「っ、み、みっちゃん!」
大人っぽい私服がすらっと背の高いみっちゃんによく似合っていて、いつもの制服より増してモデルさんみたいにカッコいい。
来てくれたんだ!
「あ、どうも」
私の隣にいる飯田に気付いたみっちゃんはそう言って軽く頭を下げて、それに答えるように飯田もペコっとした。
「知り合い?」
「うん、私の幼なじみのみっちゃん!」
「あぁ、そう。じゃあちょうどいいや。保健室まで来原と一緒に行ってくれないかな。俺これから競技でないといけなくて」
「あ、うん」
「じゃ、俺はこれで」
「あ、飯田!ありがとう!」
慌てて私がお礼を言うと、飯田は軽く頷いてすぐにグラウンドへと向かっていった。