こっち向いて笑って、先輩!


真壁くんの気持ちを考えたら─────。


「でも、でも!今の話聞いて真壁くんの気持ち考えたら、真壁くんも真壁くんで辛かっただろうなって。私に嫌われてると思ってたらそりゃ一緒にいたくないに決まってるし、そんな気持ちの中、クラスで明るく振舞っていたのかなとか色々考えると……だから!おあいこ!ね!へへっ!」


クラスの中心にいていつもヘラヘラしていて、基本ムードメーカーだけど。


時々、クラス全体が真壁くんのご機嫌を損ねないようにしてるように振舞ってるような独特な空気感が少し苦手だった。


でも、真壁くんだって、私とおんなじ高校生で、同じように、人に嫌われてるんじゃないかって不安になったりちゃんと考えたりするんだって、嬉しくなった。


教室にいるとあの空気だけで全部嫌になりそうなこともあるけれど、こうやって外に出てみて話してみて、わかることがあるんだな。


< 160 / 270 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop