こっち向いて笑って、先輩!
「……許してくれんの?俺のこと」
「うん!許す!だから真壁くんも私がリレーで足引っ張ったこと根に持たないで!」
「まだ言ってんのかよ。そんなんで怒んない」
「だって!ずっとそのことでヒヤヒヤしてたんだもん!……フフッ。ありがとう。ってことで真壁くん!この無料券は、真壁くんの力でゲットしたものなので!」
私はそう言って、手に持った無料券を真壁くんに差し出す。
「いや、そもそもはじめから来原に渡すつもりでとったからいいんだよ。飯田から話聞かなかったとしても、やっぱり全部来原にさせてたのは俺だっていい気分しないし」
「えっ、でも……」
流石に5枚もいただくなんて申し訳ない。
「あ!じゃあ、半分ちょうだい!準備は私が頑張ったけど、本番は真壁くんが活躍したから!半分ずつ!」
「ハハッ、わかった」
真壁くんはそう言って切り取り線に沿って券を切ると、3枚の方を私に渡した。