こっち向いて笑って、先輩!
「いや!違う!2枚のが私!」
「はいはい。もう切ったから」
真壁くんは笑いながらそういうと自分の分をすぐにポケットに入れた。
「んもう。……ありがとう!今から何食べようか楽しみ!」
「おう。時間取って悪かったな。飯、食ってきていいよ」
「あ、そうだ。ごはん!」
真壁くんにそう言われて、如月先輩たちとご飯を食べていたことを思い出した。
「あ、来原って、如月先輩と付き合ってんの?」
「うへっ!?いやいや!付き合ってないよ!すごく大好きだけど!」
「そう。素直すぎ。いつか一緒になれるといいな」
「っ、う、うん!ありがとうっ!午後も頑張ろうね!」
私はそう言って真壁くんに手を振ってから、体育館裏を後にした。
まさか恐れていた真壁くんに、如月先輩とのことを応援してもらえることになるとは!
「ひいっー!頑張ってだって────」
────ドンッ
っ?!
「す、すみませ─────」
嬉しさで興奮しながら走っていると、人にぶつかってしまった。