こっち向いて笑って、先輩!


突然、落ち着いた声で先輩に名前を呼ばれ胸が鳴る。そんな風に優しく呼ぶのは反則だ。


「は、はいっ!なんでしょうか!」


「……何してた」


「へ?あ、真壁くんと和睦しました!」


まさか先輩にそんなこと聞かれると思っていなかったので少しびっくりした。


私にちょっとでも興味を持ってくれたってことならいいのに。


でも多分如月先輩のことだから「気になるんですか?」なんて聞いたら「トラブルに巻き込まれていたらあとあとめんどくさいから確認のために聞いただけだ」とかなんとか言われるんだろうな。


「喧嘩してたのか?」


「あ、いえ、喧嘩ってほどのものでもないんですけど。謝ってくれて。委員会出られなかったこと。本当は真壁くんに本当の気持ち伝えるのが怖くて。でも、如月先輩が背中押してくれたのでちゃんと言えました!先輩のおかげです!」


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