こっち向いて笑って、先輩!


「体育祭の時、来原言ってたじゃん。俺に嫌われるのが怖かったって」


「うん。だって、真壁くんはクラスの中心人物でムードメーカーって感じだし」


「……俺だって、本当はすっげぇこえーよ」


そう言って切なそうに笑った真壁くんを見て、何故だかすごく、泣きそうになってしまった。


真壁くんが人を怖がるなんて、考えたこともなかった。


「部活って居場所がなくなって、俺に唯一あったものがなくなった感じがしてさ。それでも自分の場所守るために必死に……でもそのせいで来原に怖いって思わせてたり、他の女子に嫌な思いさせてたの、悪かったなって。でもなんか、あんまりうまくできなくて。他の奴らにとって、俺って気前よく金出すやつって思われてると思う」


「真壁くん……?」


「バイト、やってて。それで来原との仕事行けないこともあったんだけど、今は……」

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