こっち向いて笑って、先輩!
「じゅーーん!」
っ?!
突然、先輩らしき人が真壁くんのことを呼びながら私たち2人の座る席にやってきた。
「あっ、どうも……」
遠慮がちに挨拶する真壁くん。
あの真壁くんが、すごく小さく見える。
まるで、一瞬怯えてる気がした。
「なーに?女の子とメシ食ってんの?隼くん生意気〜。彼女?」
「あはははっ、別に。そんなんじゃ、ないっすから」
なんだろうこの空気。
なんかすごく……嫌いだ。
「で?今日も出せる?」
へ?
突然小声になった先輩は少し体を落として、真壁くんに視線を合わせるとそう言った。
出せるって……何を?
「友達にもかっこいいとこ見せないと〜隼くん」
「いや、もう、他の奴ら忙しそうなんで、当分はいいかなって……」
「ふーん。じゃあいいよ。他の奴らに抜きにして、『俺ら』とだけ遊べばいいじゃん?」