こっち向いて笑って、先輩!


「……でも、自信がない。またあの時みたいに傷つけるくらいなら一緒にならない方がいいのかもって。来原はさ、真壁みたいに明るいやつの方が一緒にいて楽しいんじゃないかって。その方が来原のためなんじゃ──────」


「いい加減にしろよ」


突然、胸ぐらをグイッと掴まれたかと思うと、眉間にしわを寄せた流星がこちらを睨んでいた。


ずっと一緒にいて初めてみた表情に圧倒されて、思わず固まってしまった。



「いつまでそーやってスカしてんだよ。なんだよ、ツンデレな俺可愛いとか思ってんの?いつでもクールなカッコいい如月和那でいたいのかよ。フザケンナ。大切なら大切だって、一緒にいたいなら一緒にいたいって、好きなら好きって、言わなきゃわかんねーだろ!だから、あの時茜ちゃんはお前の前からいなくなった!あの時失敗して反省してると思ったらまだ懲りてないのかよ!桃ちゃんも、あの時みたいに失いてーのか?!あ?!」



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