こっち向いて笑って、先輩!


「ありがとうございます、流星さん」


今日くらいは流石に言っといてやるか、なんて思ってそういえば。


「え、やめて?快がお礼とか気持ち悪いから」


「鳥肌鳥肌」なんて付け加えて自分の両腕をさすりながら、そんなこと言うから。


「絶対流星さんのお金で焼肉奢ってください」


俺はそう言って、河原に座っていた腰を起こして立ち上がる。


「よーし!しょうがねー!先輩だからな!俺!」


流星さんはそう言って、俺の頭をまたわしゃわしゃとした。


1人じゃない。
わかってくれる人が1人いる。


忘れる必要なんてない。
大切に、いつか振り返って、思い出話しができればそれでいい。


君がずっと、笑っていれば、なんだっていい。



それが、俺が前に進む方だから。


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