こっち向いて笑って、先輩!
必死に唇を噛み締めながら、やっと声に出た。
こうやって俺の顔をあえて見えないようにしてくれている流星さんの優しさは、昔から変わらない。
俺の弱いところを、唯一知ってくれてるから。
すごくムカつくし、勝てないなって思う。
「今日だけはどんな生意気言っても許してやるぞ〜それともあれか!チキン奢ってやるか!快の金だけど!」
流星さんのそのセリフに、出そうになっていた涙が引っ込んで、その拍子でバッと顔を上げる。
「なんで俺の金なんですか!」
「ハハッ!じゃあ、和那の金にしようぜ。あいつのせーだから」
「ほんっと、テキトーっすね。如月先輩もよく一緒にいますよ、こんな人と」
「うん。なんかすげ〜俺のこと好きみたいなんだよ。俺の周りはツンデレばっかだな〜。快でしょ?和那でしょ?そして澪南ちゃんっ!」
ほんっとうるさい。
別にツンデレじゃないし。
落ち込んでる隙を与えないくらい、騒がしくする人だ。