こっち向いて笑って、先輩!


ドアを開けると、そこにはガラクタの数々。


捨てるにしては直せるかもしれないから少しもったいないような、机や椅子、傾いた小さめの黒板。
ホコリをかぶった地球儀。


私が今手に持ってるホウキと似たように壊れたものも置いてあった。


いつか直すってつもりなんだろうけど……。


こんなの絶対一生直さないやつじゃん!


「捨てちゃえばいいのに」


ボソッとそう呟いて少しだけ歩いてから、ホコリをかぶったそこに持っていたブツを置く。


あぁ、早く戻ろう!


奥にある小さな窓がほんの少し外の光を取り入れていて、時間がないことを思いだす。


振り返って、ドアの方へと足を一歩伸ばした瞬間。


─────ビリッビリッビリッ


「えっ!?」


嫌な音が部屋に響いた。


嘘だよね?いや、音だけで実際はそうでもないとかあるわけだし。


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