こっち向いて笑って、先輩!


おそるおそる振り返る。


っ?!


うっそでしょ……。


普段なら見えるはずないところの肌が、ひょっこり顔を出している。


嘘って言って。


何度願っても、今見えてる光景はなにも変わらない。


「破けた……」


急いで部屋を出ようとして、壊れたガラクタから飛び出した金具にスカートが引っかかって。


スカートが縦に大きく破れてしまった。


これじゃ、パンツ丸見えだ……。
どうしよう。
どうやって教室まで帰ろう。


とりあえず、助けを呼ぶ?


そうだ!みっちゃんに相談しよう!
お茶の約束メッセージだって送っちゃったし。


慌てて、スカートのポケットに手を突っ込む。


「ったあ、スマホ、バックだ……」


完全に詰んでしまった。


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