こっち向いて笑って、先輩!





「え、カ、カラオケ?」


「うん。なんか駅前のカラオケがリニューアルキャンペーンで安くなってるんだって。人数多いともっとお得だとか言って……ごめんね来原さん、私もこれからバイトでさ……」


なんてこと。


先輩にマフィンを渡したあの日から早いもので3日。


その間先輩とは全然会えなくて。


一度だけ移動教室の時に野村先輩が私を見つけてみっちゃんのことをあれこれ聞いてきたことはあったけど。その時も如月先輩はいなくて。


そのこともあってただでさえテンションただ下がりだって言うのに、学級旗の色塗りラストスパートの担当を任せたグループが不在。


困った私を見かねてクラスメイトの女の子が事情を説明してくれたけど、正直、聞かなきゃよかったと思うほどの理由。


カラオケって……ありえないんだけど!!


しかも今回のグループ、あの真壁くんがいるグループだ。本当にありえない。


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