こっち向いて笑って、先輩!


「じゃあ、次の委員会の集まりで」


「へっ……あっ……はい!!」


私が返事をした時、もう先輩は階段を降りて行っちゃっていたけれど。


どうしよう。


私は自分の声が漏れないように慌てて口元を手で押さえてる。


先輩との今日が終わっちゃう、何もできなった、そう思ったのに。


『次の集まりで』


私と先輩のあいだに次ができた。
それを先輩の口から聞けた。
それがすごく嬉しい。
泣きそうだ。


『みっちゃん、ちゃんと渡せたよ。マフィンのことは緊張で言えなかった。でもね、また次の集まりでって、先輩言ってくれたよ』


嬉しさで震える手で、すぐにみっちゃんにメッセージを送ると、すぐに既読がついた。


『今更緊張って……。でも、よかったね』


「フフッ」


思わず笑みがこぼれた。


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