こっち向いて笑って、先輩!


先輩と2人で旗を持ったあの日、1人で持てるわけないって手伝ってもらったのに。結局こんなことになるなんて。


こんなところ如月先輩に見られたらまた呆れられちゃうって。


この学級旗だって、本来なら乾き次第、隣の空き教室に運ぶべきなのに、誰もそんなことしないままここに放っておいてあるし。


まぁ、ここにあるおかげで、そこまで力使わずにベランダまで運べるんですけどね。


心の中での愚痴が止まらない。


なんで私ばっかり1人で……本当は誰かに気付いてほしいし察してほしい。快く助けてくれる人が1人でもいたらどんなに楽か。


自分で蒔いた種であることも十分わかってるつもりだけど。こんなの、ちょっとあんまりだと思うよ。


みんなで1つになって頑張ろうって、誰一人欠けちゃいけないんだって、そういう思いで自分で考えた旗のデザイン。


正直、私がいなくなったって誰も気付かないと思う。


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