こっち向いて笑って、先輩!
「なんで1人でやってんの」
っ?!
ばっと横を向くと、私のすぐ横に腰を下ろして、膝に腕を置きながら頬杖をついてこちらを見ている如月先輩がいた。
「えっ、夢」
「寝ぼけたこと言うな」
大好きな先輩が私のことを見ている……?!
意味のわからない状況に頭が追いつかない。
なんで如月先輩がこんなところにいるの?
どうして、来て欲しい時に、いつも目の前にいるんだ。こんなの……好きが積もって溢れ出ちゃうよ。
「なんで……」
「1年4組の岩岡先生、実行委員の顧問だからその用事で廊下通ったから」
「はぁ、そ、そうなんですか」
また私のことを探してきてくれたんじゃないかなんて飛んだ勘違いをしそうになっていた。
危ない危ない。
でも、先生にだけ用事なら通り過ぎても良かったのに。どうして声かけてくれたりなんか。やっぱり変に期待してしまう。