私と結婚してください。



「ん、ここでいい?」


「うん、ありがと。」


ま、そんなガキな伊織くんも車イスを押すくらいちゃーんとできるわけだけども。
そんな伊織くんには頼くんもぴったりくっついてて、とことん執事だなと感心しちゃう。


「食事の用意は私がしますので、希依さんは座ってお待ちください。」


「あ、頼くんごめんね」


「いえ、大丈夫ですよ。」


そういって優しく微笑む頼くんに、心の底からホッとする。


この金持ち3人(頼くんは除く)がハチャメチャなやつらだから、まともな人とあんまり触れ合えないから。



「ところで凰成!今日の放課後暇っしょ!?」


……ほら、伊織くんはまたうるさい。
もう少し落ち着いてしゃべりなよ。こんな静かなところなんだから。


「課題がなければな」


「やったね!!
今日玲子誘って遊び行くんだよ!もちろん竜司も頼も!

凰成と希依ちゃんも行くよな!?」


行くよな!?って。

行きたいよ。そりゃ行きたいわ。
私も外に出たいよ。


……でも、あの玲子さんって人がいるとな…
私なんかかなり場違い、というか

仲間外れ感が拒めない。どうしても。
それに…


━━━あんなに楽しそうな凰成、見たことないし




ま、どうせ足の怪我で凰成が許してくれないだろうけど。



「いや、希依怪我してるし連れては行けねぇし
俺だけ行くわ」



俺だけ行くわ。
・・・俺だけ、行くわ!?



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