私と結婚してください。



やっと折れた凰成のおかげで、私もやっと松葉杖。
鞄を片手に、松葉杖を片手でついてピョンピョンと教室まで向かう。

まだ慣れないから遅いけど……これは確実に、凰成が私のペースに合わせてる。


今日は仲が良くない日。朝から言い合いばかりのよくあるパターンで朝からギスギスだけど、凰成はこういうところはちゃんと優しい。

こいつもなにも言わないし、私もなにも言わないけど
でもちゃんと、わかってるよ。


本当はちゃんとわかってるから。



……ま、ムカつくから気づかないふりしちゃうけどね。



「希依は色はなにが好き?」


「は?なに、唐突に」


「さっさと答えろよ」


…ほら。こういう言い方がいちいちむかつくから、私は気づかないふりしちゃうんだよ。


「……薄い色が好き。
水色も、紫も、黄色でも、何色でも好きだけど、薄いパステルカラーが好き。」


「へー、似合わねぇな」


「……うるさいわ!!」


どうせ似合わないよ。でもいいじゃん。
センスはないけど、可愛いものが好きなんだよ!!

女ってそういうもんなんだよ!ばーーーか!!!



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