私と結婚してください。



あ、いたいた速水。


「よ、お待た~」


「おう、……え?」


「え?」


な、なに?え?え?


「……高梨希依?」


「はぁ?何いってんの?当たり前じゃん。
頭おかしくなった?」


「だ、だよな
私服見たの久々でなんか違和感だったわ」


「あー、椎依みたいだって思ったんでしょ?
さっきも間違えられたとこだし。」


「すっかり残念じゃなくなったじゃん。
にしても、どっか行きたいわけ?急に連絡してきて」


「あー、うん
スリッパ買いに行きたいんだよ~」


「はぁ?スリッパ?ねぇの?」


「ねぇから言ってんです
ま、あとはご飯な」


「り」


り、って。LINEかよ。
『了解』くらい言えや


「とりあえずあれ、駅南のホーム雑貨屋さん。
あそこ前に吉良さんちのお坊っちゃまと言ったんだけどめっちゃ可愛かったんだよね」


「あー、あの高いところ?
いかにも金持ちって感じ」


「スリッパなら買えそうだし、狙ってたのあるんだよ~」


「買ってもらやよかったのに」


「その時はパジャマ買ってもらったから。
いくらなんでも図々しいと思って避けたんだよ」


「あー、なるほどな
じゃあ行くか~

……タクシーする?」


「え、は?いやいや
10分でつくじゃん」


「まぁそうなんだけどさ」


こんな距離でタクシーなんて、運ちゃんにも申し訳ないよ。すぐそこだもん。



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