私と結婚してください。
「おっ、凰成…!な、ななんでここに…」
「買い物だよ。それ以外にどんな理由でここまで足を伸ばすんだよ。
……お前こそここでなにしてんだよ。部屋にいろって言っただろ。」
「えー、っと…」
こ、こわい……
めちゃくちゃ怒ってる…!!
今までで一番怒ってるよ、これは……
「……テメーが連れ出したのかよ」
負のオーラに包まれたまま、低いトーンの声は私ではなく、ちょっとだけ後ろに向けられた。
「…そうだけど?」
えっ…
「ち、ちが…速水じゃない!!」
「怪我してこんなよろよろのやつ連れて、なにかあったら責任とれんのかよ」
「責任?
そっちこそ、高梨のこと無理矢理そっちにいれたくせに放置して自分だけ外出かよ。
お前こそ無責任なことしてんなよ」
は、速水……なんでそんな煽るんだよ…
「テメーに言われなくてもやるべきことはやってるわ」
そういう凰成の顔が本当に怖くて
今にも速水のことを殴ってしまいそう…というより
学園から追放してしまうんじゃないかってくらい……
こいつにはそれができてしまうから…
「だから違うってば!!」
私が言わなきゃ。
私が守らなきゃって……
「は?」
「私がお願いしたの!
速水は私のわがままを聞いてくれただけ!
文句があるなら私に言えばいいじゃん!」
凰成の腕のなかのまま、私は凰成にそう強くいうと、凰成は険しい顔のまま、私を地面へと置いた。
「……帰る」
たった一言、それだけ言って。