私と結婚してください。
━━━結局私はなにもできずに速水にタクシーで送られた。
さすがの速水ももう私のわがままには付き合ってくれなくて
『あいつの言い分が正しい。治るまでは大人しくしてろよ?』
と、私を理数科の校門で下ろして帰ってった。
仕方なく私も部屋に帰るけど、部屋には当然、とんでもないオーラを纏った凰成もいるわけで……
顔も合わせないように私の部屋に入ろうとしたけど
「どうして出ていった?」
一段と低くなった声が、私の体を止めた。
振り向くことすらできなかった。
「……一人はつまらないから。
ご飯だって…」
「食事の手配はすると言ったはずだ。」
「それじゃ意味がない!
……ご飯は、誰かと一緒に食べなきゃ美味しくないよ」
「…どうして決めつける?」
「前にそう思ったから!
……椎依がいなくて、親もいなくて一人でご飯を食べたときに思ったから。
お金持ちで、いつも誰かがそばにいる凰成にはわかんないよ!」
私はそう言葉をぶつけて、部屋に入った。
私は今、吉良家に飼われている状態なのかもしれない。
そんなの、ちゃんとわかってるよ。わかってるけど……
私だって、私なりに尽くしてきたよ。
失敗だって迷惑かけたことだっていっぱいあるけどさ
私にも、意思や欲求だってあるんだよ……
━━━少しくらい、
認めてくれたっていいじゃん
凰成のバカ。